紙風船

皆さん、こんにちは。ティッサローです。今回は、2月10日に参加した秋田の上桧木内紙風船あげ2012についてのお話をしたいと思います。

 タイの紙風船(コームローイ)をご存知の人もいるでしょう。タイでは、ラーンナー王朝の時代からの風習となっています。現在でも毎年12月には、タイ北部にあるチェンマイ県でイーペン祭りとして1万の紙風船が打ち上げられています。日本からもたくさんの方がこのお祭りに参加されています。これを読まれた方の中にも、もしかしたら、参加したことがあるという人がいるかもしれません。タイでは、悪運や悲しみなどすべてのマイナスなものを空に放ち、翌年、良い年を送れるように願います。また、タイは国王をはじめ、国民の95%が仏教徒とされる仏教国です。ローイコームには厄除けなど意外にも、お釈迦様、三宝に帰依し、供養するという意味も含まれています。

 さて、私は昨
年、日本に紙風船上げというお祭りがあるということを初めて知りました。日本にこのような伝統があるということを今まで全然知りませんでした。そして、是非ともこの祭りで私たちのコームローイをしたいと思いました。それは、こんなことがきっかけでした。

 2011年3月11日の東日本大震災のあと、日本を愛する様々な国の人が日本を助けたいと援助をしていました。私たちタイの国もその中の一つです。街中では募金活動が、メディアに登場する歌手は日本を応援するために、曲を作り届けました。私は日本とタイは友達だと思っています。友達が困っていれば、力になりたいものです。日本に住む私は、タイ文化交流会を通して、被災された土地で残された方を勇気づけたいと思い、炊き出しボランティアをさせもらいました。こうしているうち、11月にタイで大洪水が起こりました。これを知った日本の皆さんは、まだ自分たちの傷が癒えていないにも関わらず、タイヘ義援金を送ってくださったり、私達を見かけると、タイは大丈夫なの?負けないで、頑張ってと励ましてくれました。困った時にこそ助け合う、これぞ真の友達だ日本人の思いやりにとても感激しました。私は、日本とタイは親友だと確信しました。これから更なる友情を築くためにも日本をもっと良く知りたいと強く感じました。そのためにも、日本の文化となっている行事に参加することにはとても意義があり、参加することでタイと日本の伝統文化の交流にもなると思ったのです。

 当日は日本全国の別院から僧侶、スタッフ、信者の皆さん総勢約80名で参加しました。東京を朝4時に出発しました。到着すると、会場は一面雪景色になっていました。見渡す限り、雪、雪、雪。気温はマイナス8度を回っていました。秋田の紙風船はとても大きく、6メートルから10メートルほどの大きさでした。2ヵ月以上かけて、集落や学校などのグループで作り上げるそうです。みんなで協力して作った紙風船には、それぞれ願い事や未来へのメッセージが書かれていました。
 私たちは、互いに復興を願い、夜空に紙風船を打ち上げました。今年だけでなく、来年、再来年と一緒に参加させてもらえるようになればいいと思っています。
(ティッサロー比丘)