タンマガーイ寺院についてBack

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タンマガーイ寺院の歴史はパークナーム寺院の住職、プラ・モンコンテープムニー、(以下、大師)が瞑想を通じて釈尊の智慧を自分で見出し再発見するために、1916年に自らの人生をかける決心で出家したことから始まります。大師の献身的な教えと師が発見したタンマガーイ瞑想法は人気となり、多くの人がパークナーム寺院へ瞑想を学びに来るようになりました。そして、大師の中で最も才能のある弟子はクンヤーイ ウバシカ ジャン コンノックユーン(以下、クンヤーイ先生)でした。

パークナーム寺院住職の大師がこの世を去った後、クンヤーイ先生は寺院に残り瞑想指導を行っていましたが、当時高校生であった現タンマガーイ寺院住職ルァンポー・タンマシャヨー師(以下ルァンポーといいます)が瞑想を学びに通っており、大学卒業後1969年8月27日にパークナーム寺院において出家し僧侶となりました。

その後、パークナーム寺院内のクンヤーイ先生の住まいが、瞑想を学びにやってくる生徒数に対応できなくなったため、タンマガーイ寺院は1970年にルァンポーと先生によって設立されました。

当時、寺院を建設し始め、この敷地には満足な建物が何もない状態の時、良い人を育てることに必要を要していたので、ルァンポーは「仏教後継者育成コース」を夏休み期間中に開講しました。寺院の建築物はまだまだ形を為していませんでしたが、とりあえず、これを利用しながら、日曜日に一般人を対象にした瞑想会を催し始めました。

パトゥンターニー県クローンルァン区クローンルァン・サームの敷地は、荒れ果てた状態から土地の開発が行われながら、良い人を育てることも同時に実施され、遂には今のタンマガーイ寺院となりました。タンマガーイ寺院が世に知られるようになり、1979年には始めて、全国の大学仏教クラブの学生を対象にした「仏教後継者育成短期出家コース」が開催されました。

1981年ルァンポーの考案で、全国仏教教理コンテスト「人生の向上への道」が開催されました。これは、三十八項目の吉祥の仏教教理を題材としていました。二十八年を経て参加者数は、延べ4000万人を数えるようになりました。この参加者たちは、このコンテストから学んだことを生活に生かしながら、より良い暮らしを送っています。196ライ(1ライ1600㎡)の敷地では、人々を収容しきれなくなりました。1984年には、敷地を新たに2000ライ拡張しました。

1985年始めて雨安居(カオパンサー)と言う、三ヶ月間の「仏教後継者育成短期出家コース」が、一般人を対象に開催されるとともに、全国からの見習い僧を受け入れパーリ語の教育を実施して、後には仏教学校が創立されました。また、全国の僧侶のための修行コース、いわゆる頭陀行として行われました。

1986年、全国各地の家庭や会社などで瞑想会を開かれ、これが仏教の布教センターとして利用されました。この年は、男女寺院スタッフの募集も行われ、大学卒業者で仏教布教に貢献したい人たちを寺院に滞在させて、寺院活動のお手伝いをしてもらいました。また、同じ年に国連からNGOとして認定され、何度も国連が主催する国際的セミナーに招待されています。例えば、スイスにおける国連総会の場で、社会の健全な発展についてタンマガーイ寺院代表がスピーチを述べたことなどです。

1988年パーリ語九段合格者の、祝賀式を開催しました。これは、僧侶と見習い僧に、パーリ語学習のための励みとなるためのものです。

人々が仏法の光を心に灯して、内面から生じる幸福を知ることは、ルァンポーの、僧侶として仏門に入門したときからの願いでした。そのため、布教活動を国内だけではなく海外まで広く行ったのです。

1992年海外への布教活動が開始され、別院を建て始まめました。現在では、海外の別院の数は60ヶ所を超えるようになりました。毎年、宗教や国籍が異なった外国人たちが全世界から集まり、タンマガーイ寺院で行われる仏教行事に十万人を超える人々が参加したので、当時の瞑想場では収容しきれなくなりました。

そのために、1994年にタンマガーイ大仏塔、建立計画が立ち上がりました。この場所は、将来、世界の仏教センターとするものでした。

1995年、プラ・モンコンテープムニー大師の記念館を建設し始めました。この記念館は、大師のタンマガーイ瞑想法を再発見した功績を称え、末永くその偉業を記憶するためのものでした。

1996年、寺院を訪れる人々の数が膨大なものとなってきたので、この人々を収容できる大瞑想場(サパー・タンマガーイ・サーコーン)の建設が始まりました。この大瞑想場の完成途中の現在でも、良い人を創りだす、という様々な活動が日々行われています。たとえば、一万人の見習い僧の出家式や、十万人の男性の八斎戒を守る行事、十万人の女性の八斎戒を守る行事が行われています。

2002年ルァンポーが発案して、24時間の仏教放送DMC(ダンマ・メディア・チャンネル)を開始し、この放送は衛星放送、インターネットを使い、英語、中国語、日本語、インドネシア語等を、同時通訳しながら世界中に配信してしています。

タンマガーイ寺院、タンマガーイ財団のタイ社会と世界への役割

現在、社会問題は、格差社会や社会不安の拡大など悪化する一方です。その原因は、人の心に問題があるからです。社会の平和と発展は,物理的技術の発展によるものだけではなく、精神の向上も大切な要素です。その精神的なものは、自分と社会、世界に対しての責務をもたねばなりません。

タンマガーイ寺院とタンマガーイ財団は、社会への責任を持つものとして誕生しました。そして、社会と世界平和の発展のために、これまで39年間変わらずに活動しており、これからもその活動を繰り広げていく決意です。

人は心が清らかになれば、考え方・話し方・行動も良い方向に向かいます。このためタンマガーイ寺院では、ワットパークナーム寺院住職プラモンコンテープムニー大師が再発見したブッダが実践していた瞑想法を指導しており、これを行っている人々は清らかな心から内面の平和を得て世界平和へと繋がっています。

寺院の活動
1. 短期出家コース

青年たちに、清らかな心、そして道徳を備えた人となるために、夏休み期間中に学生や一般人を対象にして短期出家コースを開催しています。このコースは、その参加者一人ずつが蚊帳で生活するという頭陀行を行い、仏陀の教えを聞き戒律を厳守に守ることです。

更に、タンマガーイ寺院は、仏陀の教えを学ぶ希望者には、性別と年齢を問わず各コースは、それぞれに相応する仏陀の教えの内容を選んで教えています。そのため、大学生や高校生の女性訓練コースも開いており、更に、政府の人・私立・官吏・軍人・警察・公団・一般の人などのために、道徳を教えるコースもあります。

2. 仏教教理試験

2.1 人生の向上への道

仏陀の教えを学ぶことを青年たちに興味をもってもらうために、タンマガーイ寺院が「人生の向上への道」という仏教教理試験を毎年開いています。この試験で最優秀者には、国王からの賞品が与えられます。入学試験を受ける人は1982年に300人でしたが、2006年には、全国19,3839校から4,732,291人の学生が参加されるほどになりました。

3. Vスター

Vスター、良き星というプロジェクトは、全国の小、中、高校生を対象に道徳を身につけることを目的にして、自分ができる身の回りの簡単な良い行いを毎日励行して、その結果を日記に書き記し、先生や両親に報告する、ということを指導しています。文部省が支援しているこのプロジェクトでは、年二回、参加者全員が揃った中で、省高官による成績優秀者への賞品授与式が開催されます。2008年度の参加者数は、50万人を超えました。このプロジェクトの実施によって、タイの小、中、高校生の道徳モラルが向上したと、全国から賞賛の声が挙がっています。

4. 24時間仏陀の教えを放送する活動

24時間、世界中に衛星放送とインターネットを通じて、仏陀の教えを放送するというプロジェクトを開いています。このDMC番組は、2007年に米国映像界で最も有名で権威ある国際コンテストのひとつ「テリー賞」で12部門において受賞しました。

この番組を毎日100万人に上る人々が視聴しており、仏教放送DMCを通して瞑想、因果応報などの仏教の教理と実践を学びながら、自分の暮らしに実践し役立てています。この仏教放送DMCのお陰で、社会における道徳が高まる活動が、次々と多く行われるようになりました。たとえば、タバコやお酒を断つ運動、カラオケや居酒屋を廃業する運動、ギャンブル(鶏闘の試合)をやめる運動、津波被害者を救済する運動、この被害で亡くなられた人々の追悼式の開催などです。

現在、紛争の絶えないタイ南部での仏教寺院、僧侶への援助のために、仏教放送DMCが、この媒体として全国各地への援助呼びかけを行い、大きな役割を果たしています。

5.仏教の教育を応援する活動

タイにおける仏教繁栄の理由は、仏陀の教えをよく学びよく実践し、戒律の厳守と修行に絶え間なく励んで人々の尊敬を集めている僧侶達が指導にあたっていることからこそです。

タンマガーイ寺院では、善良な僧侶を育成するために寺院の中に仏教教理を教えるタンマシャイ仏教大学を設立しました。その学校では、仏教教理部・パーリ語学部などを開設しています。更に、他の寺院の仏教教理の向上のために、次のようなプロジェクトが設けられています。

1.パーリ語を学ぶことを奨励するために、最高位9階級のパーリ語試験に合格した僧侶・沙弥の祝賀式を行っています。

2.他の寺院の住職や地域社会の長老僧侶やリーダー僧侶を招待し、説法と技法を教育し寺院運営のシステムの紹介も行っています。

3.仏教研究の発展のために、パーリ語文献協会(Pali Text Society、PTS)から許可を受け、PTS版パーリ語の三蔵経をプログラム化し、世界中の研究者にこのソフトを研究のために提供しています。2008年には東京大学が主催する大蔵経テキストデータベース研究会とタンマシャイ仏教大学との間で、大蔵経とPTS版パーリ語の三蔵経の共同研究の提携を結びました。この共同研究が完成すれば、世界の仏教界への有益な影響が期待されてます。

6.慈善活動

タンマガーイ寺院は、全てのタバコ、お酒や薬物を止めて、捨てる運動を奨励した結果、国内だけではなく海外においてもこの活動は広がっていきました。特に寺院境内には、タバコ、お酒や薬物などの一切の持込も使用も出来ないように、皆さんへの協力を呼びかけ実施されています。

更に、寺院はタンマガーイ財団と共に、公共のために様々な活動を行っています。例えば、国内・海外でのタバコを焼却し、お酒を捨てる運動を行いました。ナコーンラージャシーマ県、セーンサーン市にあるフジミの酒造工場を閉鎖することを援助しました。

サゲーウ県にある一番大きいワイン工場を閉鎖する、サムダソンクラーム県にある売春宿を閉鎖すること、ガーラシン県とサラブリ県にある闘鶏ギャンブル場を閉鎖することなどを援助しました。このような様々な活動を行うは、人々を悪い行いやタバコ、お酒、薬物などから遠ざけるためであり、心の向上を図るためには、これらの薬物などは障害となるからです。

このような運動の成果で、2004年WHO(世界保健機構)より世界初の僧侶としてルァンポー・タンマシャヨー住職は、このWORLD NO TABACCO DAY(世界禁煙日)賞を受賞されました。次いで世界平和への貢献から2005年ルァンポーは、ガンジー平和賞を授与されました。

タイ南部の紛争によって266寺院が被害を受けているので、タンマガーイ寺院とタンマガーイ財団は、各寺院に生活必需品など必要なものを援助しています。このために全国の寺院に呼びかけ、一年間に50万人の僧侶を動員することを目標にし托鉢行事を数度にわたり行って、これに集まった数々の品々を南部寺院に贈呈しています。

また、南部の津波被害者に援助金を送って、無くなった人には供養式を行いました。

5.海外活動

国際社会への布教活動については、タンマガーイ財団は1986年世界仏教徒連盟に加盟、1988年には世界仏教青年連盟に参加しました。また、海外組織と協力し世界平和への様々な活動を行っています。

寺院には世界27カ国に40ヶ所以上の別院があり、内面の平和を得て世界平和へ繋がるためのタンマガーイ瞑想法を広く紹介しています。Middle Way(中道)<a href=”http://www.meditationthai.org“>http://www.meditationthai.org</a>という外国人を対象にした瞑想コースを国内、海外で毎年数回開催しています。また、インターネットを通じて、ピースレボリューション<a href=”http://www.peacerevolution2010.org“>http://www.peacerevolution2010.org</a>という、オンラインでの瞑想指導を世界中の外国人に行っています。

また、各国でのタイ王国との交友関係を築く活動も行ない、タイ文化に興味のある学生に勉強会の開催も行っています。

将来も、タンマガーイ寺院とタンマガーイ財団は、これまでの方針通りに、つまり人々の心に良き種を蒔きながら僧侶や社会のリーダーなどを訓練して社会に欠けていると思われる道徳を教え、それぞれの地域繁栄のために役立てる決意なのです。